僕がトライチェイサーに乗りたいわけ

 

2000年のこの年に満を持して始まった「仮面ライダークウガ」。正直、最初はこんなにハマるとは思っていなかった。

最初にクウガの姿を見たときの感想は「ちょっとダサイ・・・」であった。胴体のプロテクターがなんだか浮いたデザインに見えてしまっていた。おまけに「4つの形態に変身する」と聞いて、「仮面ライダーBLACK RX」を思い出してヤな気分になった。RX自体が、全作のいい雰囲気をぶちこわしにした上に、伏線をぶちこわしにして終了した作品であった上に、別の姿に変身するという設定が商品展開がらみのこじつけのようで、あまり好きではない仮面ライダーだったからだ。しかも、クウガのバイクのデザインがなんだかいただけなかった。無理矢理クウガのデザインとこじつけているようなヘッドパーツが、今ひとつ気に入らなかった。一言で言えば、ださいバイクと思っていた。

「でも、とりあえず見てみよう」

仮面ライダーファンとして、食わず嫌いは絶対にしちゃぁいけないな。一回目の放送を見てから、今後の日曜日の睡眠時間のスケジュールを組んでも遅くはないし・・・。

そして、第1話を見た。ハマった!

全体に流れるミステリアスなムード、リアルな警察描写、綺麗な映像。はたして、朝っぱらの子供番組でここまでやっていいのかと思うような殺陣。これは、今の子供のための仮面ライダーじゃぁない。大人になったライダーファンのための仮面ライダーだ!かくして、僕の日曜日の起床時間は、平日よりも2時間だけ遅くなった。

なじめなかったクウガのデザインも、回を追うごとに違和感を感じなくなったし、それぞれのフォームも状況にあわせて使い分けるという点で、RXと違うことがわかって納得。番組も、ヒーローモノの要点は押さえつつ、たまに意外なほど重いテーマをぶつけてきたりして、大人の鑑賞にも十分に耐えうる作品に仕上がっている。独特の映像美とセンスに、すっかり骨抜きにされてしまった。なかでも鮮烈に頭に刷り込まれたのが、トライチェイサーのデビューシーンだった。

人馬一体とでも言うのだろうか。かつてのライダーシリーズで、あれほどまでにマシンが生き物のように躍動したことがあっただろうか?ライダーの手足となり、疾走する姿が何ともスマートでかっこいい。また、設定が泣かせる。「警視庁が開発した時期主力白バイの試作車」。なんだかわからないけどとにかくすごい!という今までのライダーマシンにはない位置付けが、とても魅力的だった。街乗りの時と変身時とカラーリングが変わるとというのも魅力的で、とにかく、、設定がとてもしっかりしているところが気に入ってしまった。

そして、トライチェイサーが欲しくなった。

「ちょっと待て!デザインが気に入らなかったのと違うんか!」

と、お思いの方もいらっしゃるだろう。慌てる事なかれ、何故に僕がトライチェイサーにハマったか、今からご説明いたしましょう。

初めてトライチェイサーを見たときに、本当にださいバイクだと思った。じゃぁ、それは何故だろう?これは、カメラのアングルにあると僕は思うのだ。番組開始前の紹介写真では、必ずと言っていいほどクウガとの2ショットで写っている。クウガとトライチェイサーをかっこよく、なおかつ、両者を限られたフレームの中に納めるためには、バイクの斜め下から撮るのがベストな位置なのだ。すると必然的に、トライチェイサーはあおり気味のアングルでしか撮られないことになる。実はこのアングルこそが一番トライチェイサーが格好悪く見えてしまうアングルだと思うのだ。ヘッドパーツが妙に大きく見えて、本当はスマートな車体がひどくずんどうに見えてしまう。これは、ビートチェイサーにも言えることで、同じアングルから撮られた写真は、ヘッドライトが妙に大きく見えてしまう。だから、最初にビートチェイサーを見た僕の感想は「頭でっかち」だった。

逆に、上から見た写真は、とてもスマートでかっこいい!これは、ベースになったパンペーラのデザインも秀逸だと思うが、フロントとマフラーに手を加えただけでライダーマシンに仕上げてしまう番組スタッフのセンスの賜物であると思う。ゴールドヘッドは、クウガのカラーリングを意識してデザインされているが、ブラックヘッドは黒とガンメタの2色のみの塗り分けで、これが渋い!もともと、暗い色はラインが際立ってシャープに見えるので、ブラックヘッドは余計にスマートな印象になる。つまり、トライにしろビートにしろ、見るなら上から見た方がスマートでかっこいいと僕は思うのだ。

さぁてこのトライチェイサー、元の改造が大変シンプルであるが故に、実際に作って保安部品さえしっかりしていたら公道でも乗れるのではないか?と僕は思いついた。元々が白バイの試作車と言う設定であるため、ライダーマシンにしては地味な部類に入ってしまうトライチェイサーだが、実際にライダーマシンを作って乗り回してみたいと思う輩にとっては、まさに絶好のマシンではにかと思う。

と、ここまで書いたら、過去にもほとんど無改造のライダーマシンがあった。それはライダーマンの「ライダーマシン」(そのまんまやな・・・)とスーパー1の「Vジェット」、それに仮面ライダーZOの「Zブリンガー」である。確か、Vジェットの方は、子供の頃に乗りたかったライダーマシン第1号だった。親に、ハレーダビットソンを買ってくれとねだった記憶がある。しかしこの3台は、以下の理由で却下である。

ライダーマシン→ノーマルすぎ(笑)

Vジェット→高すぎ

Zブリンガー→ヘッドライトがない

ライダーマシンは、あまりにもそのまんまで今ひとつだし、Vジェットは高価すぎる上に僕が中免までしか持っていないので、法的に乗ることが出来ないのである。Zブリンガーは色の塗り分けだけでそれらしく仕上がるけれど、ヘッドライトがないのでだめなのだ(ヘッドライトとあの赤い目を同時に付けちゃうと、とても間抜けな姿になるだろうな)。うーん・・・。

話を戻しましょう。トライチェイサーならば、番組でははずしてある保安部品をしっかり整備してやれば、きっと公道でも乗ることが出来ると思う。GヘッドではなくてBヘッドの方ならば、街乗りにも派手すぎずにちょうどいいのではないだろうか?ビートチェイサーは?と思う方もいるかもしれない。どちらかと言えば、ビートチェイサーの方が従来のライダーマシンのデザインコンセプトに近いような気がする。実際に走る姿もかっこいい。だけど、先に惚れてしまったのは「トライチェイサー ブラックヘッド」の方なのだ。

ライダーマシンを作れるかもしれない。そう思い始めたら、居ても立ってもいられなくなった。ライダーマシンに乗りたいという僕の夢が、実現できるかもしれないのだ。むしろ、この時代にトライチェイサーに巡り会ったことを、僕は運命と思いたい。今作らなくて何時作るっ!

前途は多難である。何せ、肝心のバイクがまだ手に入っていないのである。あと、改造にかかる資金や素材の問題等、解決しなければならない問題が山ほどある。結構大きなコトを言ってしまっているが、本当にやり遂げられるかどうか不安もある。しかし、ライダーファンの維持と誇りと見栄にかけて、トライチェイサーをぜひ作り上げてみたいのだ。時間はかかるかもしれないけれど。

とにかく、ここまできたら絶対トライチェイサーを作ってやるぞ!そして、地の果てまで駆け抜けてやるっ!